「なにサボってんだよ」

「わっ!!」

み、み、湊先輩だ!

でもなんで、先輩がここに?

「湊先輩??な、なにしてるんですか?」

「あぁ、移動授業でたまたま通りかかったら、あんたが見えた」

りこは、私たち二人の顔を行ったり来たり見てる。

口についた水をぬぐいながら「でも、ここ離れてますよ?」と隣の棟の入り口を指した。

先輩は、私が指した場所を見ながら「だから、お前が見えたからちょっと声かけただけ」と言って、手に持ってる教科書をひらひらさせて、行ってしまった。