堤君は、驚いた顔で、私を見た。

「な、なにもないよ。行こう、みんなもう並んでる」

運動場の隅に整列し始めている、みんなの方を指さした。

「うん。行こう」

良かった。堤君、先輩の方は見てない。

堤君と並んで、歩きながら、少し振り返って教室を見上げてみた。

窓の外見てる……

私のことも、見てるかな?