君依存

「どこまで鈍感女なんだ……」

岳はふみかの背中を見ながらつぶやいた。

ふみかの姿を見つけ、せっかく声をかけたのにこんな反応じゃつまらない。そう思っていた。

一方のふみかは、りこの姿をもう一度探していた。

「もうすぐ二年の試合が始まるのに……りこったら、どこいったんだろ」

両コートの試合が終わり、一年生の応援団たちはポツポツと体育館から姿を消していった。

試合を終えた生徒たちは、汗を拭きながら互いの健闘をたたっている。

ふと、目が男子バスケの本条君にいってしまった。