体育館では、すでに一年生の試合が始まっていた。

「すごい熱気」

ふみかは、入り口の涼しい場所を確保して、腰を下ろした。

「りこ、どこいっちゃったんだろ」

円陣での気合を入れた後から、りこの姿が見つからず、渋々一人で試合を見ていた。

「みんなすごいなぁ」

別に、運動音痴なわけではないが、こんなに夢中になるほど、体育大会に力を注いでるわけではないので、勝とうが負けようが正直どちらでもよかった。

「わ、あの子すごい上手。バスケ部かな」

ポニーテールをなびかせながら、華麗にドリブルをしている女子がひときわ目立っていた。