君依存

湊先輩は、私の歩くペースに合わせてくれている。

「そこ笑うとこ?俺が入部してから、すげー強くなったんだぜ?」

「ハイハイ。そうですね」

湊先輩は、不服そうにしているけど、私は知ってるもん。

いつも見てたから……

「なぁ、県大会にもし行けたらさ、見に来てくれるか?」

「え?」

突然の先輩の言葉に、私は驚いた。

「応援してほしい。お前に……」

鼻筋を触りながら話す湊先輩は、少し照れているようだった。