両手に岳のぬくもりを感じたまま、岳が去っていった方をじっと見つめるふみか。

そこへ、りこと堤君が少し息を切らしながら来た。

「あ、やっぱりここにいた」

「りこ」

「あれ?先輩は?」

「え?あ、先行っちゃったよ」

ふみかの動揺が半端ない。