私、神崎悠里。

高校2年の16歳。



優しい優しい、彼氏がいる。



「悠里ー?」

ほら、来てくれた。

登下校は一緒に。
朝はいつも、迎えに来てくれる。

「外で待っててくれたんだ。
寒いんだからいいのに。」


『ううん、大丈夫。』


「じゃ、行こっか?」


名前は瀬戸涼太。
小学生の頃からの同級生。
実はずっと、
小学2年の頃から涼太に片想いをしていた。


でも涼也は。
5年生の頃、彼女ができた。
涼太とその子はとてもお似合いで。
とてもじゃないけど、告白なんかでき なかった。
でも去年、涼太はその子と別れた。
長い付き合いでしょ?
ご長寿カップルだなんて言われてた。


涼太は最近まで、その子のことを引きずってたみたいだけど
今はどうなのか分からない。
涼太は私のことを好きだと言ってくれるけど、やっぱりどうしてもからかわれてるのかなって不安になる。


「……り……悠里……?」


「悠里!!」


『えっ?!』

「なに、ボーッとしちゃってさ。
どうしたの?なんかあった?」

びっくりした。
………言えないでしょ、涼太の元カノのこと思い出してた。なんて。

『なんもないよ?』


「なら、良かった」


私はいつもそうだ。

いつもいつも、涼太に本音を言えずにいる。

涼也は優しいから、きっと本音を言っても受け止めてくれる。

でも、迷惑かけたくないし。

そんなことをいつも、考えてしまう。


……どうせ、ずっと一緒にいられるわけじゃないんだし。