夏休みがあけ、授業が始まった。

夏休みがあけた教室の友達は、みんなたくましさを増しているような気がした。

これからは大学入試に向けて、小テストや模試がたくさん行われる。

それでも受験のぎりぎりまではバイトを続けるつもりだった。

そのことをマサミに相談すると、マサミは、

「舞は頑張りすぎるから、体だけは大事にしてね」

と言って、

「私は受験とか面倒だから就職することにしたよ」

と軽い口調で言われた。
初耳だったのでとても驚いた。

「本当はさ、進学しようと思ってたんだ。でもお父さんの工務店、今景気が悪くて、従業員にお金払うのも大変みたいなの。だから、私は進学しない」

そういうマサミの顔は少し寂しげで。

高校に入学したばかりの頃を私は思い出していた。


高校に入学して初めてできた友達がマサミだった。

私たちはすぐに打ち解け、色々な話をした。

「ねぇ、舞。私たち、同じ大学行けたらいいね」
「そうだねー。私もマサミと同じ学校行けたらいいな、って思う」

「それでさ、仕事しても、年取っても、ずっと親友でいたいな」

「私も私も!!結婚して子供ができたら隣同士の一戸建てに住もうよ」