夏休みは毎日補習と夏期講習とバイトの繰り返しだった。

それでも毎日先生に会えるのは嬉しくて。

今のところ、誰にも私たちが付き合っていることはばれていない。

私は先生と付き合っていることを、マサミに打ち明けるかどうかとても迷っていた。

マサミはいい子だけど、先生が好きだし、少し口が軽い。

もし私たちが付き合っていることに腹を立てて、言いふらしてしまったら、私たちはもう学校にいられなくなる。

それはどうしても嫌だった。


私がそのことで悩んでいることを先生に相談した。

生徒相談室で二人で話していると、先生は言った。

「川崎は俺の見る限りではそういう親友の秘密をばらすような人間じゃないと思う。だから信じて話してみてごらん。まぁ、最初は気分悪くするかもしれないけどな」

「先生、マサミが先生のこと好きなの、知ってたの?」

「それくらいは気づいてたよ。俺だって29年生きてそれなりに人生経験積んでますから」

「あはははは」

「だから、信じて話してごらん。きっと大丈夫だから」

私は頭を縦に振った。

今夜、マサミと会って話をしよう。

いつか、胸を張って先生を好きだ、って言えるように。