寄り添うように肩を寄せ合っていた。

時間が止まっているのかと思うほど、静かだった。

涙の痕も綺麗に乾いて、ただメイクだけ少しよれているような気がした。
沈黙の重みをあのときほど感じたことはなかったかもしれない。

静かに、時が流れているのがなんだか悲しかった。

先生は私の肩にまわしていた腕をはずし、ハンドルを握った。

「舞、これからドライブでもしようか」

先生の声は甘くて、優しかった。

断る理由なんてない。

だって私は先生のそばにいたいんだもん。

ただ、それだけ。

「…うん!」

私が返事をすると、先生は私の唇に軽いキスをしてから、

「どこ、行きたい?」

「うーん。星が見えるところならどこでもいいよ」

「星が見えるところ、か」

「うん」

「わかった」

先生は車を発車させた。
出口で料金を払うと、私たちは星を目指した。


先生は高速にのり、適当に走らせた。

時間が遅いせいか、あまり車は走っていない。

車のハンドルを握っていないほうの手は固く握られていた。

先生の、手。

私の大好きな人の、手。
私はそっと先生の手を口元に持っていくと、軽くキスをした。