「あ、翔ー」

自転車で颯爽と現れた幼なじみ・川口 翔。
運動が得意で、明るて元気。おかげでこっちまで元気になるくらい。

「うっわ、顔死んでんじゃん!」

ケラケラと女の子の顔を見て笑う。
くっそー、他の女の子には優しいくせに。

「後ろに乗せて…」

「いや、何でだよ!」

「こんなにかわいい女の子が頼んでるのにぃぃぃ!!」

「しがみつくな!貞子かお前!」

朝っぱからギャーギャーと騒ぐ。
この行動が無駄に体力を奪っていく。

「待ってってば!…うぎゃ!」

「は?おぃ!」

私としたことが、何もないところで転んでしまった。
しかも翔の目の前で。赤っ恥じゃないか。