「短い人生だったな…」








落ち込んだ声で女は言った。











可愛い声だった。いや、俺は初対面でお前をいきなり殺したりはしねえが。










名前は佐藤リョクというらしい。








なんでもあの進学校の桃川でタメだった。









明るい方に移動しようと言うリョクに従い、移動した。








俺が怪我をしていることを忘れて。怖がらせるかもしれねえのに。










灯に照らされたリョクの顔は………








恐ろしいくらい美人だった。かわいい、美人の言葉じゃ足りねえ、整った顔だった。素直にかわいかった。








俺の怪我を見るなり手当てをしだした。俺はてっきり怖がると思ったが心配するだとか言いやがった。









優しい奴なんだな、リョクは









顔の手当てをするときにお前の顔を寄せられた時はすっげえドキドキした。ほんとにかわいい顔してんな。









ほんと変だけどおもしれえがすっげえかわいいよくわからない女だった。










女を送るなんてことしたくないがリョクは送ってやりたくなった。いや、リョクを1人で帰すことができなかった。









見送った後もリョクのことばかり考えた。また会いてえ。何度も思った。












しかしなぜ桃川という進学校に通うぐらいで制服を着たままのリョクがこんな時間に公園にいたのか。しかも手にはカップをもっていた。どこかからの帰りか。











頭の中がリョクのことばかりだ。










惚れたか?







やっちまったな。










一目惚れ…か…。









Side 銀斗 end