プロローグ


「宇宙君…っ!」

私は、思い切って宇宙君を呼びかけた。

「ん?」

宇宙君はこっちを見て、不思議そうに首をかしげる。

私は宇宙君をしっかり見つめた。

「私、宇宙君とクリスマスにここに来れてよかった」

私は笑顔で言う。

今の私は本当に笑えているのだろうか。

「俺も神崎と来れてよかったよ」

そう言って宇宙君はニコッと笑う。

その笑顔に、また胸が高鳴る。

「あのね……宇宙君…」

今なら言えるかもしれない。

うまく伝えられるかはわからない。

けど、

今言わないといけないような。

そんな気がした。

私は少し下を向いて深呼吸する。

その後、パッと顔を上げて宇宙君の方を見た。

宇宙君もこっちをじっと見てくれている

私はグッと手を握りしめた。

「私…っ宇宙君の事が…っ!」