その日の夜


そのころ王様は、姫が死んだことを
すごく喜んでいました。

月を眺めながら、ワインを飲みほします。

王様が楽しんでいる時に誰かが忍び寄っています。

「王様…」

王様は、びっくりしてすぐに振り返りました。

「誰だ!!」

そいつの正体は──…

「私は、小人のトウと申します」

悪い小人のトウは、ニヤリとわらっています。

「何ようだ、小人よ…」

王様は、トウをじっと見つめました。

「王様がお喜びになるようなことを
お告げに参りました。」

王様は、ニヤリと微笑みました。

「ほう…それは何だ」

「それは、姫様が森の奥にある小人の家にいると言うことです。」

「何だと…?姫は、殺したはずだ」

「いえ、生きておられます」

「嘘を言うな!!」

「本当でございます。」

「ちっ!あの兵士を呼んでこい!!問いただしてやる!」

王様は、姫を殺したという兵士を呼びだしました。

そして、兵士に殺したのか厳しく問いただしました。

「お前は、殺したのか!?本当のことを言え!」

「こっ、殺しました!王様も、ちゃんと見たはずです!!あれを!!」

「嘘つけ!!」

       ガッ!!

「ぐあっ!かっ!」

王様は、兵士を殴ったのです。

何度も何度も、兵士が本当のことを言うまで───…

とうとう兵士は、殺してないと
言いました。

王様は、腹が立ちました。

トウは、王様の横でこうつぶやきました。

「王様…私が、姫を殺します。手は、あります。」

王様は、トウに頼りました。

トウは、家に帰って早速作り始めました。

そう

     毒リンゴを───