その頃王は、酒を飲み肉を貪っていました。

『あぁ!こんなに、肉も酒も美味しいなんてな!!ん?……』

何かがおかしいと、王は思いました。

やけに、ワインボトルから出てくる酒の色が濃いめだというのと、出てくる量が少ないということに気がつきました。
それに、足の違和感が無いことにも気がつきました。

『え?……両足が……無い?ひっ!!?』

ワインボトルをもう一度、見ました。
すると、ワインボトルではなく自分の足だと気がつきました。
王は、直ぐに自分の足を手から離しました。

『だっ……ひっ!!?だっ誰かいないのか!?おい!!返事をしろ!!』

誰も答えません。
ただ、足音はこちらへと近づいてきています。

ガチャッ

ギィーー……ッ

『おぉ!これは、どうなってるんだ!』

『見ての通りですよ。王様……いえ、あなた……』

『なっ……その声……お前か!!何だその格好は……!?汚ならしい!!』

『汚ならしい?あなたの方が、ものすごく汚ならしくて醜い……昔の貴方は、どこへ行ったのです?昔の貴方は、姫のために沢山愛情を捧げていたではありませんか。』

『黙れ!妃ごときが!!姫は死んだ!!もうこの世には、おらんわ!!』

王は、ワイングラスを壁へと投げつけました。妃は、ゆっくりと王様に近づいていきました。そして、妃は王様の肩に手を置いてこう言った。