「”お前に足りないものを見付けろ”? ・・何これ、とんちのつもりかしら」 「陽水様は本気です。 お嬢様がもしもその足りないものを見付けられなかった場合には、 資産も、会社も、一切遺さないと仰っていました」 足りない物・・ 私が思わず黙り込むと、十史郎は 「協力しませんか」 と急に言った。