「・・ええ。 常に相手の隙がどこかを見極めて判断している様子が伝わってきました。」 「しかし、お嬢様はまだご存じないはずです」 そう言って十史郎は、白い封筒を取り出した。 「陽水様からです」 その文面には、祖父が莫大な資産を私に遺す気であることと、 それには条件があるということが書かれていた。