このままで紋章さえ吸収されれば…。



結愛と一緒にまた人間の方に戻って、人間として生活したい。



結愛と手を繋ぎ、街まで歩く中そう考えていた。



それから、結愛は美味しそうな山菜を見て炊き込みご飯が食べたいとのことでそれらを買った。



「わ〜楽しみ!レトも一緒に食べようよ!絶対美味しいよ!」



「んー…結愛より美味しいものなんてないからなぁ。」



「っもう…。ていうか、レトあれから1回も飲んでくれてない。」



「それは…だって、飲んだらまた色々止まらなくなりそうだから…。」



もちろん、毎日飲めるなら飲みたいけど…。



「…の、飲ん…よ…。」



っ!!



顔を赤く染め、上目遣いで僕を見上げる。



やばっ…これはやばい…。



誰もこの結愛を見てないよね?



可愛すぎる…今すぐ結愛が欲しくなってしまう。



「じゃあ。帰ったら……飲んでもいい?」



こくこくと結愛が頷く。



そんな会話をしながら行きと同様、手を繋ぎ街を出た時だった。




「……っ…?」



ふらっと視界が歪んだと思うと、胸の辺りがゾクゾクした。



「ん…なんか、変…。」



「えっ!?ど、どうしたの?」



今までにない、違和感を感じる。