ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ


「な、泣かれるなんて思わなかったからっ…。」




「…ふふ。ありがとう。結愛ちゃんは本当優しいね。」




優しくなんかない。優しかったら今すぐ出てけなんて言わないでしょ。




「僕、結愛ちゃんに会えて本当によかった。戻ってきてからはほんの少しの間だったけど…ずっと忘れないよ。」




「……っ。」




そんなこと言わないで、わたしみたいに憎まれ口てたいてよ…。





どうして、わたしはレトのこと覚えてないんだろう。





それがずっとモヤモヤするし、悔しい。



「本当にありがとう。」



わたしに触れていた手を離す。




「…っあっ、まっ…待って!!」




とっさに手を摑む。




「ん?…どうしたの?」