「っく…もう、時間が…はぁっ…ゆあ…待ってて、ね。」



そう言って僕は、ゆあから離れて全力で人気のない木陰に走った。



「レトっ…早く来てくれなきゃ今度は助けてあげないしっお嫁さんにもなってあげないからねっ!!」




ゆあの声は僕の耳にしっかり届いた。



それが10年前、ゆあからもらった最後の言葉だった。