SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「ヒヒ、お前はサンドバッグがお似合いだ」

「光栄だろう? 自分よりも強くて偉い二人の神に殺されて。 ……グフ、グフフフ……」


楽しむように二人は笑う。

けして一気には殺さない、じわじわとなぶり殺すやり方は今も昔も変わらない。


——ドシャッ!


殴られ、美空は地面に転がった。


「……っ、 ゲホゲホッ……ゲホッ!」


ぬかるんだ大地、口の中にドロが入り、美空は激しく咳をする。


「ヒヒッ、そんなに苦しいか?」
「安心しなよ、もっと苦しめてあげるから」


————ザンッ!


刃が背中の羽を舞い踊らせた。


「……っ、」


さんざん殴られ、切りつけられ、美空の意識は朦朧とする。


……こんなはずじゃない……


……あたし、こんなはずじゃ……


じんわり涙が目に浮かぶ。


————伯耆坊……


すがるように美空は心に呼びかけた。