SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「……⁉︎」


そこにカイドウとコブはいなかった。

あたし一人が残された世界……

さっきと景色は同じなのに世界はかなり縮小され、わずか半径2メートル先に世界の終わりが見えている。

まるでバリアーの中に閉じ込められているような感覚……

よく見ると向こう側に別の世界が見えている。


……あれは……


それは元の現実世界だった。

もうすっかり日の暮れたD.S.Pの敷地内、広いトレーニング用のグラウンド。

こちら側の光によって映し出されたその場所は弱い雨が降っていて、雨音が何故かクリアに聞こえてくる。


——パアアッ!


突如グラウンドのライトが一斉に点灯した。

暗くて見えなかった奥の方の景色まで昼間のように見渡せる。


「……っ!」


あたしは息をのみこんだ。

姿を消したカイドウとコブが悠然とそこに立っている。 しかも——、


「黒木、ユリ、みんなっ!」


D.S.Pのメンバー全員がそこに集められている。

変貌を遂げた二人を前に、みんなの顔は蒼く、そして硬くこわばっていた。