SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


“ シュンッ……ガガガッ! バキッ!”


カイドウの拳があたしを襲う。

息つく間もない素早い連打にあたしは何も対応出来ない。

加えてV字の刃があたしを捕えた。


「……ハッ!」


とっさにバリアーで防御するも、いとも簡単に擦り抜けてくる。


——シュバババッ!


「……あ、うっ……」


致命傷には至らない箇所ばかりに刃が突き刺さった。


——ガキッ!


カイドウがあたしを追い詰める。


“ ガッ、バキッ、バキッ、バキッ!”


楽しむように薄ら笑いを浮かべながら、カイドウは拳を振り下ろす。


「……っ、うう、……ハアッ、」


すでに顔は腫れあがり、体はアザや切り傷だらけで所々皮膚がめくれあがっている。

歯は数本が折られ、口元からはダラダラと血がこぼれていた。


「……ふっ、あの頃と全く一緒だな。何も出来ない、お前は只の人形だ」


——ガン!


ぐるりと視界が回転する。

あたしは地面に転がった……


「……は、 ……はあっ、」


しるしの力が使えない今、体力的に限界で、もう立ち上がる力は残っていない。

全身から力が抜け落ちてゆく……