SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「やはりお前はその程度だ。神の力でいくら俺達を上回っても、それはほんの束の間の事で維持する事は難しい……」


「……っ、」


「このまま無抵抗のままでもいいが……」


カイドウの手が伸びてくる。


「それではあまりにつまらない。どうせなら、もがき苦しむお前の姿を俺達はゆっくり鑑賞したい……」


人差し指が額にあてられ呼吸が一瞬停止する。


「その為に邪魔なものは排除する。煩わしい神の力を封印し、お前はお前だけの力で、殺される為に闘うのだ」


「————!」


指が離れ、あたしは空気を体に取り込む。

違和感にサッと右手を確認した。


「……!」


そこにしるしは浮かんでなかった。

湧き上がる高揚感も、溢れ出す力も、今は何も感じない。

本来の素の自分に戻っている……


————ガゴッ!


膝蹴りであたしは宙へ飛ばされた。