SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


“シャンシャンシャンシャンッ!!”


「……っ!」


ギリギリの所で難を逃れる。

もう少し遅ければトルネード型の刃に体が切り刻まれる所だった。


「ほんと、逃げ足だけは速いよね」


先ほど絡みついていた主が、今度はヒュウヒュウとあたしの周りを旋回する。

体ごと透明な風と化したコブの声が飛び飛びに耳に運ばれた。


——ピシッ……


こうしている間にも体には細かな傷がついてゆく。

物体ではなくなったコブの体は至る所に分散され、大気中に紛れてしまえばその姿を捕らえる事は難しい。

コブの身体そのものが凶器である今、それがいつどんな形に変化して、どこから飛んでくるのか分からなかった。


——ダムッ!


カイドウがあたしに仕掛けてくる。

さっきよりも更に動きを加速させ、長い腕を大振りに何度もあたしに打ち込んでくる。


「……っ、」


打たれるも、なんとかそれをかわしながらコブの気配に気を配る。


“……ズダダダダダダッ!!”


瞬時に張ったバリアーに太い針が突き刺さった。