『 ちょっとお兄ちゃん! いい加減にしてよ!!』 オレはくわえていたタバコをポロッと落とした。 体が石みてーに固まって、動けねえ…… ……だって、 ……だってよお、 どうなってやがるう? ミクがよお、ミクじゃねーんだ。 いきなり違う声で喋りだしてよお、 オレを睨みつけてっけど…… その声、その眼差し、表情、 眉の上がり具合、頬のふくらませ方、オレを見上げる顔の角度、体の傾き加減…… その全部が、死んだ妹、麻里そのものじゃねーか!!