SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「逃げても無駄だ!」


……!


男が先回りして立っていた。

長い黒髪の男、

男は真っ暗な空に手を伸ばす。 すると、


“……パアアアアァァ……”


夜空に浮かぶ星のごとく、それでいて無限に冷たい青の光が空いっぱいに輝きだした。

あたしはサッと身構える。

以前、男と闘った記憶が鮮明に頭に蘇る。

おそらく、この後……


————カッ!!

シュヴルルルルルルルッッ!!!


予想通りの光の雨が降ってきた。
一粒一粒がまるで細長い針のように鋭く先を尖らせている。


「……っ、」


あたしはとっさに雨が落ちてこない場所へと移動する。

ところが、


「……!」


それを待っていたかのように文字が足にくっついた。


“ モウ瞬間移動デキナイ ”


そう書かれた文字が足に貼り付き消えてゆく……