SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……!」


あたしはバリアーで防御する。

小さなV字の大群はバリアーに弾かれ軌道を変える。

そのまま大きく旋回すると再びあたしに襲いかかった。


“……ビュゴオッ……シュカッ!”


さっきよりも勢いをつけた刃、そのいくつかがバリアーに食い込んでくる。


「——ハッ!」


あたしは両手に力をこめた。

すると食い込んでいた刃も周りの刃たちもバリアーの気圧で吹き飛ばされる。

行き場をなくした刃たちは風に紛れて消えていった。


「……チッ、」


コブがあからさまに不機嫌な顔になる。

……と、


『邪魔な能力だ』


離れているのに耳元でカイドウの声がした。

何かが視界にチラついて、あたしはそれを確かめる。


「……⁉︎」


文字が入り込んでいた。


“ バリアーハ モウツカエナイ ”


そう書かれた半透明の文字がバリアーの中を浮遊して……


「……あっ、」


ピタッとあたしの腕に貼り付く。 すると、


——パチン!


突如バリアーが消えてしまった。

再度バリアーを試みるも不安定の時のようにまったく力が使えない。