SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


“ ……フゥオオ〜…… ”


黒煙が一筋、風と共に流れてゆく……


「ねえ聞こえてる⁉︎」


空に向かってあたしは叫んだ。


「こんな一人一人やったってしょうがない! やるなら一度に、みんなまとめてくればいい!」


それは予感めいたものから出た言葉。

時間をかければ結果的に不利になる、言い知れぬなにかの警戒心が無意識に言葉を吐き出させた。

すると、


《調子に乗るなよ》


どこからともなく声がして、間もなく激しい大地の揺れに襲われる。

これまでとは違う何かがぶつかり合うような圧力も加わり、あたしは身をかがめながら揺れが治まるのを堪えて待つ……


「……⁉︎」


目を開けると異様な光景が広がっていた。


上段、中段、下段と、層になった三つの世界……


空は真っ暗なのに視界は明るく、宙にはさまざまな電子機械やパソコンの画面のような文字や情報が目に見える形で飛び交っている。

足元は膝の辺りまで草が伸び、大地はジャングルとなっていた。