「……なんで……」
「Blue dollのあの女よ! テレポートでビルからビルに飛び移って銃撃をっ……人を捕まえては屋上からゴミのように投げ捨てるの!」
「そんなっ、」
「酷い女よっ……まったくっ……」
上を見上げ、ユリは声を詰まらせる。
「……でも、D.S.Pじゃどうにも出来ないの。悔しいけど力の差がありすぎるわ……なんとか応戦してきたけど、これ以上はもう……。
悪い事は言わない、美空は逃げて! あんな化け物が他に五人もいるだなんて……いくらなんでも、美空でも無理よ! とても全員を倒せるはずが——」
「——それはどうも」
突然女が現れた。
「……っ! あなたっ!」
「 “ とても全員を倒せるはずがない ” ……分かってるじゃない、光栄だわ。そんなに褒めてくれるなんて」
赤髪の女はにやりとユリに笑いかける。


