SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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「お父さん! お母さんっ——」
「——わっ……んッ……」


飛び起きたと同時に小さな悲鳴と圧迫感に襲われる。


……⁉︎

なに、これ……

誰かがあたしの前にいる。

至近距離すぎて視界が塞がれ、ついでに口も塞がれている。

あたしより温かなその唇。

驚いたように息を止め、微動だにしないその人物……


「……っ!」


急に視界が開かれた。

ひどく慌てた様子のその人物は——


「……ゆう、と……?」


それは顔を真っ赤にさせた湧人だった。


「……っ、 ……えっ⁉︎ ……あっ、」


湧人はすぐにそっぽを向き、キョロキョロやたら落ち着かない。


「……ここは……」


あたしは視線を泳がせる。

白い病室みたいな部屋、あたしはベッドの上にいる。