SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「……お父さん、 お母さん……? 」


『ずっと一緒よ……』

『お父さんとお母さんはちゃんとお前の中にいる……』


より強い光に目が眩む……


『……万里……』
『……生きろ……』


二人はにこりと優しく微笑むと、あたしの体に溶け込んだ。


————えっ……


「お父さん! お母さん!」


確認するも二人の姿はどこにもない。

でもけして一人ではない、不思議な感覚に襲われる。

……と、


「——!」


内側から何かの力が湧いてきた。


「……な、に……」


それは以前の根拠のない自信とは明らかに違う別のもの……

安心感に包まれた、静かで穏やかな、それでいて芯は熱く揺るぎない……


————ドクンッ!


鼓動があたしを押し上げる。

急に体が軽くなり、上へ上へと引っ張られる……


“ ……ゴオオオ————ッッ!! ”


突如頭上に現れる大きな大きな空間の裂け目……

そこへ一気に吸い込まれる……


「……っ!」


体が、意識が遠くへ飛ばされた……