SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……お父さん? お母さん?」


その顔は寂しいような、悲しいような……

あたしが首を傾げると、二人は少し笑ってみせる。


『……ごめんね……』
『一緒には……もう暮らせないんだ』


「……え?」


おもわずあたしは聞き返した。


『万里、あなたはまだ生きているの』
『だから、一緒には暮らせない……』


「……生き、てる……?」


『そうよ、まだ生きているの』
『危ない所だったが助かったんだ』


「……助かった……」


途端に気持ちが重くなる。


「そっか、まだ死んでなかったのか」


輝いていた空間に少し陰りが見え始めた。


『『……万里……?』』


「だったらあたし、もう死にたい」


『『……え?』』


「だって、そしたらお父さんとお母さんと一緒にいられる。 ……それにあたし、もう疲れたんだ……」


ここへ来る前、いろいろあった事を思い出す。

陰りはますます濃くなって、急に辺りを暗くした。