SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「お父さん、お母さん……あたしずっと悪かったって……あたしに怒ってるんじゃないかって……」


『どうして怒るの……』
『怒る訳ないだろう……』


「だって、だからあたし、今まで視ないように……」


ずっと胸にありながら、どこか避けてきた二人の存在……

思いがけない再会で、抱いてきた胸のつかえが急に楽にほどけてゆく……


「……本当はずっと会いたかった。ずっとずっと会いたかった……」


涙ぐむあたしを二人は再び抱きしめる。


『お母さんも会いたかった……ずっと心配してたのよ……』


『それこそ万里の方が怒っていると……許してくれるはずがないと思っていたから……やっとこうして抱き締められた……』


白い空間がだんだん光輝いてゆく。

じんわりと取り巻く空気もあたたかい。


「良かった、会えて良かった……」


『お母さんも会えて良かった……』
『万里に会えて本当に良かった……』


「うれしい……あたし、本当に……」


『お母さんもうれしい……』
『お父さんだってうれしいぞ』


「ねえ、これからはずっと一緒でしょ? また一緒に暮らせるよね?」


すると、何故か二人は黙り込んだ。