SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「……お父さん、 お母さん……」


胸に顔を埋めながらあたしは口を動かした。


「ずっとごめん、あたし……あたしのせいで死んだんだ。お父さんとお母さんはあたしのせいで……」


それはずっと秘めていた思い……

あの日あたしが熱を出さなければ、病院に行かなければ、きっと二人は死なずに済んだ、

そんな後悔がいつも胸のどこかにあった。


「本当にごめ——」
『『それは違う!』』


強い声に顔を上げる。

目を合わせ、二人は再び「違う」と言った。


「……だって……」


『万里のせいじゃない!』
『どうして自分のせいだなんて思うんだ!』


「だってあたし……」


『お母さんとお父さんは、あの日の医者たちに殺されたの』


『あいつら突然訳の分からない事を言い出してな、万里を連れて行こうと……。 必死で止めようとしたんだ、だが……』


『謝るなら私たちの方よ……本当にごめんなさい……』


『守ってやれなくてすまなかった……万里には本当に辛い思いを……させてしまった……』


二人はみるみる顔を歪ませる。

目からは涙がボロボロ溢れていた。