あたしは目を疑った。
いつの間にか目の前に人が立っている。
懐かしいと思うほど久しくて、会いたくても会えなかった人物、昔のあたしの名を呼ぶそれは——
「……お父さん、 お母さん……」
それはお父さんとお母さんだった。
二人は当時の記憶のまま、あたしに微笑みかけている。
『『……万里……』』
もう一度名前を呼ばれると熱い何かが込み上げた。
「……あ、 ……ああ……」
無意識に涙がこぼれてゆく。
滲む視界……
二人はそっと手を伸ばすとあたしをギュッと抱き締めた。
『『会いたかった……万里』』
ちゃんと感じる二人のぬくもり。
におい、優しさ、息づかい……


