「……あ~。黒木 」 「 う~ん?」 黒木はあたしの顔をのぞきこむ。 「 残ってもいい。痕 」 あたしは、さっき思った事を黒木に伝えた。 「……へ?」 黒木の動きが止まる。 あたしは構わず続けた…… 「 あ~、いましめ、自分への。忘れたくない。あの時のこと。お父さん、お母さん、みんなのこと、あたしの気持ち。くやしい気持ち、忘れない。あたし、負けない。コレに、負けない 」 あたしはガーゼが貼られた左腕をさすった。