「……くそッ!」
二人が離れた室内で、一ノ瀬は再び怒りをあらわにする。
「許さんぞBlue doll……! 必ず罪を償わせてやる! ……新っ、作戦を練り直すぞ! 今すぐ皆に召集をかけてくれ!」
「はい」
駆け出す新を目で見送り、一ノ瀬は視線を横にずらす。
「手間をかけさせて申し訳なかった」
奥に佇む人物達に声をかけた。
「……いや、ワシらの方こそすまんかった。お主たちより側におったというのに……もっと美空に気を配っておったら……よく見ておればこんな事には……」
「今までの数々の協力にも感謝する」
「高が知れとるがな、D.S.Pに比べたらワシらのささいな活動など……。それでも受けた恩は返したいのだ。
あの時、能力者に襲われたワシらをD.S.Pは救うてくれた。
そして黒木誠を……組員であったあやつを引き取り立ち直らせてくれた恩だ」
「……相変わらず律儀な人だ。だが、貴方達だからこそ一般社会は任せておける」
「ああ、余計な邪魔が入らぬようワシらはワシらの仕事をこなす。お主は美空の仇を、自身の仇を討ってくれ」
静かに頷き、一ノ瀬は医務室を後にする。
残された鬼頭会の面々たちは硬く険しい表情で美空の容態を見守っていた。


