SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「オレたち何して……」
「どうしてここに……」


「すまん、少し話があってな」


一ノ瀬は平静を装い二人と向き合う。


「……話?」
「……なに?」


「ああ、」


ほんの少し間を持たせ、


「今まですまなかった」


一ノ瀬は二人に頭を下げた。


「……は? ……親父?」
「……なに、 急に……」


「今までろくに家にも帰らず仕事仕事で、お前たちには随分寂しい思いをさせたな。

反省しているんだ……

いくら忙しかったとはいえ、もう少しお前たちとの時間を大切に出来なかったのかと。本音で話し合えていたらと……」


「親父、どうした……」
「なんか、変だよ……」


「どこかでタカをくくっていたのかもな。俺がいなくてもお前たちは大丈夫だ、理解してくれる筈だと……

自分勝手な考えだった、まだ未成年のお前たちに……本当にすまない。 だから、」


一ノ瀬が二人の肩を抱く。