それは苦渋の決断だった。
このままでは恐らく自責の念で自己が崩壊するだろう……
「いいんですか?」
新の問いに一ノ瀬は頷く。
こんな事なら包み隠さず真実を話しておけば良かった——
いや、最初から美空を二人に近付けるべきではなかったのか……
そんな後悔が湧き起こる。
「全ては俺の判断ミスだ」
一ノ瀬は拳を握り締める。
透と薫を思えばこそBlue dollだった美空の過去を明かすのは賢明ではないと思った
美空のプライバシーは守られるべきだと主張した
何も全部を知る必要はない、言わない方がお互いの為……
それらの勝手な気遣いが結局はこんな結果を招いてしまった。
「分かりました」
新は再び手を触れる。
「「————」」
先程と同じように訪れる沈黙……
そして、
「……あれ……親父?」
「……お父さん……?」
新の手が離れると、さっきとはまるで違う表情の二人がポカンと首を傾げていた。


