「……は?」
「なに言ってるの、お父さん」


「確かに美空はBlue dollだった。だが同時に被害者でもある。 美空に全ての責任を、矛先を向けるのは間違っている」


「「……⁉︎」」


「……誘拐されたんだ、美空はBlue dollに。 以来、地下室での監禁を余儀なくされ、無理矢理組織に加えられた。

仕方のない事だったんだ。 当時の美空に拒否権などなかった……あるはずがない。暴力で脅され、記憶操作もされていたんだからな」


「……やめろよ」

「なんでそんな嘘言うの。あの人がお母さんを殺したのに」


「だから美空が殺した訳じゃないっ! そもそも事件の時、美空はまだ10才にも満たなかったはずっ……そんな子供に何が出来る!

それでなくとも地下室から一歩も出られずにっ……協力したと言っても逃走ルートの確保だけだ! 少なくともあの事件では……!」


「「……は、あ……?」」


「美空にとって長い監禁生活は感情さえ失うほど過酷なものだった! 肉体的にも精神的にも限界のっ……そんな状況で善悪の判断などつけられたはずもない!」