SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


……はあ。


やっぱり、湧人にウソをつくのは大変だ。


“ ……ジジジ…… ”


あたしは意識を高めてゆく。

一人になると、より感覚が研ぎ澄まされる。


……まったく、


いつの間に泳がされていたのだろう。

今のあたしなら分かるのに。

只ならぬ者の存在に、気配に、執拗なまでの悪念に、どうしてもっと早い段階で気付く事が出来なかったのだろう。


……そう、


あたしの周りで起こっている全ては偶然ではないのだ。

透と薫の事も、急にD.S.Pが忙しくなったのも、お婆ちゃんの事でさえ……

状況が、あたしを一人にしようとしている。

何かの計画によって、あるいは誰かの大きな力によって。

あたしの勘が確かなら、それは——、