SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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“ リーン、リーン ”


会議室から呼び出し音が鳴ったのは、それから間もなくの事だった。

本部からの連絡に黒木とユリは顔をしかめる。


「ダア〜っ! こんな時にっ!」
「こっちだって今手が離せないのに!」


しばらく平和だったD.S.Pに突如事件が舞い込んだ。

事件は複数件起きているらしく、黒木とユリはすぐに合流しろとの事だった。

オロオロする二人に「早く行って」とあたしは言う。


「そんなっ、行けるワケ……!」
「ここを離れたら美空が……!」


「あたしは平気」


「体はそうかもしれねえケド!」
「透くんと薫ちゃんの事がっ!」


「事件の方が大事だから」


あたしは無理やり二人を押し切る。


「……ミクう……」
「……だって……」


かなり頭を抱えながら、結局、二人は本部に車を走らせた。


「……みく……」


今度は湧人があたしに言う。


「婆ちゃん、腰痛めたって……」


電話を終えた湧人が、困ったように溜息をつく。


「行ってあげて」


迷わずあたしがそう言うと、湧人は顔を曇らせた。