「……いっ、イヤなワケないだろお……」
「大好きよ美空っ……これからもずっとずっと大好きよ……」
二人のあたしを見る目はまっすぐで、嘘偽りは見られない。
「うん 。あたしも、黒木とユリが大好きだ。ずっとずっと大好きだ」
あたしは二人にそう返した。
「……っ! ミクっ……許してくれんのか……オレたちを……!」
「あんなに酷い事……したのに……?」
「……なに? 分からない。分からないけど……でも許す。二人とっても大切だから」
「……っ……ミクう〜……」
「……あり……がとう……」
肩を震わせ、二人は本格的に泣き始めた。
……?
何で二人が泣いているのかは、やっぱりよく分からない。
けど、悲しい涙ではない事は二人を見ればすぐ分かる。
……そういう事なのだ……
改めて思いを強くする。
「……湧人……」
あたしは、少し居ずらそうに佇んでいる湧人の方に顔を向けた。
「あたしやっと分かった。どんなに自分が苦しくても、そんな時こそ、よく周りを見ないとダメなんだ。
だってちゃんと見るってこんなに大事。
見ようと思えば見えたんだ、分かったんだ、もっと早く気付けたんだ」
……透と薫の異変に……
二人とも、あたしを信じてくれてたのに……
「あたし、もうちょっとで見失うところだった。大切なもの……」
「……え? ……ああ、うん……」
コクンと頷く湧人の肩越し、
窓からはどんより曇った空が見えている。
……とおる……
……かおる……
あたしは二人の顔を空に映した。


