SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


……ああ、

そう言えば、黒木とユリとは何かおかしかった事を思い出す。


「黒木、ユリ」


あたしは二人に向き合った。


「あたし……全然見えてなかったんだ」


「「……へ?」」


「あたし以外の全部が。自分だけで精一杯で」


「「……??」」


「いっぱいモヤモヤしてたんだ。満月じゃないのに悲しくて、ずっと心が重たくて」


「「…………」」


「心が曇ってる時ってさ、なんにも、見えなくなるんだね。 ほんとは違うのに、自分で勝手に決めつけて……

だからあの時、あたしのせいだって……

黒木とユリが泣いているのは、あたしが悪いやつだからだって……」


「……ンなっ! ミクは全然悪くないっ!」
「そうよ! あれは私たちが! 悪いのはっ、」


「あ〜、ちがう。 だから、あたしが言いたいのは……」


「「……⁉︎」」


「今なら……分かる。二人があたしをイヤじゃないって。言葉と態度で、それが十分伝わった」


噛みしめるようにあたしは喋った。