SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「しっかりしてっ……みくっ!」


……ゆうと……


声にはならず、唇だけがわずかに動く。


「————」


そばでは脇腹を抑えた透が小さくうずくまっていた。


「……みくっ!」


湧人があたしを抱き起こす。

すると、背中の傷からドッと大量の血が流れ出て、ますます意識を朦朧とさせた……


「……っ、 ……ひどいっ……なんでこんなっ……ひどすぎるっ……」


顔を歪ませ、湧人は声を震わせる。


「なんでっ……なんでこんな事するんだよっ!」


キッと透と薫を睨みつけた。


「どうかしてるよ二人ともっ! いくらなんでもこんなっ……みくを殺そうとするなんてっ!」


「「————」」


「みくのこと好きだったんじゃないのかよっ! なのにっ……何でこんなひどい事が出来るんだっ!」


「「————」」


「みくが敵だって言うんなら、オレの敵はお前たちだっ! どんな理由があったって、みくを傷付ける事は許さないっ!」


すると、


「……うっせえ……ガキ……」
「……邪魔……しないでよ……」


それまで固まったようになっていた二人がノロノロ動き出した。