SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


“ ……ブウウ————ンッ……”


上に伸ばした手の先には、薄い円形の新たな武器が浮かんでいた。

円盤みたいなそれが風を巻き込み、すごいスピードで回っている……


「最高だろコレ。漫画で見たのをアレンジしたんだ。俺のは端がギザギザだからアレよりもっとタチが悪い……当たれば肉がズタズタになる」


男はニヤリと微笑むと、


————ギャンッ!


それをあたしに投げつけた。


“……ビュウオオ……ンッ!!”


風と共に円盤があたし目掛けて飛んでくる。


「……ハッ!」


とっさにバリアーで防御するも今日はあまり頑丈じゃない。

円盤の端のギザギザ部分がバリアーに鈍く食い込んでくる……


“……ギュリッ、キュリキュリ……”


バリアーがだんだんいびつに歪んでくる。

勢いに圧され体に重さがのしかかる……

……と、


——ドンッ!


瞬間的に力が戻り、あたしの体は軽くなる。

バリアーが弾け飛ぶと同時に放出されたエネルギーが円盤をバラバラに粉砕した。


“……シュウウ……パラ、パラ……”


やがて室内はだんだん落ち着きを取り戻す。


「……くっ……」


目の前には巻き添えを食らったさっきの男が、力なくそこに倒れている。


「……はあ、」


……良かった……


どうなるかと思ったけど、なんとか、役目は終えられたようだ……

あたしはやっと一息つく。

立ち去ろうとクルッと男に背を向けた——

次の瞬間、


————ザクッ!


衝撃があたしの体を前に揺らす。


「……フッ、」


後ろから微かに笑った男の声が聞こえてきた。