SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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午後を過ぎると、あたしは別の場所にいた。


「……ハァ、 ……ハァ、」


ここはさびれた廃工場。
目の前には刃物を持った赤髪の青年。


「どうした。もう終わりか?」


「……っ、」


しるしに呼ばれ、あたしは男と闘っていた。

こいつは能力者、

自分の‘‘気”を刃物などの武器に変える力を持っている。


いつもならたいした事ない相手なのに……


今の心の状態をうつすように、しるしの力もだいぶ弱くなっていた。

あたしは苦戦を強いられている。


——シャリン……


男が再び武器を構える。


「殺すには惜しいが死んでもらう」

そう言うと、


——シュンンッ!!


手にしていた銀の刃を投げつけた。


「……っ、」


“……カンッ!”


床を転がり、あたしはそれを回避する。

でも男は次から次へと武器を作っては投げてくる……


“カッ、カッ、カッ!”


三角の刃がコンクリートの床に刺さる。


「逃げてもムダだ」


——シュンッ!

“カッ、カッ、カッ、カッ!”


「……っ、」


とうとうあたしは壁際まで追い詰められた。


“……フオオ〜……”


男は巻き取るように腕を回し、今までで一番大きな気を集めた。

それがみるみるうちに具現化する……