SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……っ、 ……はぁ、」


横を向いた顔を戻し、あたしは透と目を合わせる。

目力の強い透の瞳……

いつもなら厳しさの奥にもちゃんと優しさが見えるのに、今はそれが少しもない。

その目は憎悪に満ちていた。


「……許さねえ……」


ますます首を締め上げられると息をするのもままならない。

それでも、


「……めん、」


あたしは声をふりしぼる。


「……あ?」


「……ご、めん……」


これぐらいしか思いつかなかった。

あたしには、謝ることしか……


「……ご、めん……」


怒りを、憎しみを、あたしが受け止めなければならないのだ。

身をもって償わなければならないのだ。


「……ご、め……」


息苦しさに、必死に空気を取り込みながら、あたしは言葉を繰り返す。

ところが——


「……てめえっ!」


それが逆に怒りを煽ったのか、透が瞳をギラつかせる。


「何がごめんだッ!」


——ズザッ!


叩きつけるようにあたしを地面に放り投げた。

そのまま何度も蹴ってくる……


「ザケやがってッ!」


“ガッ、ガッ、ガッ、ガッ!”


「謝って済むと思ってんのかッ!」


“ガッ、ガッ! ドゴ! ゲシッ!”


「この人殺しがッ!」


————ドガッ!


あたしは全身で透の怒りを受け止める。

そして、


「……ご、めん……」


やっぱりそれを繰り返す……