SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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「ふざけないでよっ!」


広い庭にキレた薫の怒鳴り声が響いたのは、お婆ちゃんが出かけてすぐの、まだ午前の時間帯……


「アンタのせいだ! 全部アンタのせいだったんだっ!」


“ガッ、ゴッ、ガン、ガキッ!”


鉄製の警棒のような物であたしは薫に殴られている……


「人殺しっ! 悪魔っ! アンタなんかっ……アンタなんかっ……!」


「……っ、」


昨日より薫の怒りは凄まじい。

そのすぐ後ろでは腕組みをした透が、同じく憎しみに満ちた顔で立っていた。


「自分のせいだって思ってた! お母さんはあたしのせいで死んだって! だからっ!」


——ドゴ!

蹴り飛ばされ、あたしは地面に倒れ込む。


「ずっと自分を責めてきたっ! 苦しくて苦しくてっ……自分が嫌でたまらなくて! 何度死のうとしたか分からないっ!

あたしを見る周りの目だって……

お前があの時外で遊びたいなんて言わなければ、お母さんとはぐれたりさえしなければ、そうみんなに責められているようで……

毎日辛くて苦しくて孤独で……いつも怯えながら過ごしてたっ! そうやってあたしは生きてきたのっ!」


「……っ、」


「どれだけ苦しんだと思ってるの! 辛かったと思ってるの! 誰にも本音言えないでっ……あたしはずっとアンタのせいでっ!」


——ガキッ!


渾身の一撃があたしの頭に振り下ろされた。


“……ポタ、 ……ポタ……”


芝生にあたしの血が垂れる。